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2007年1月18日 (木)

日本古典籍総合目録

『源氏物語』の注釈書や解説書を読んでいると、典拠資料としてさまざまな古典籍の名前が出てきます。
それらの古典籍の原文を読みたい、と思ったときに役立つデータベースをご紹介いたします。

日本古典籍総合目録

  • 国文学研究資料館作成
  • 同資料館ホームページ「電子資料館」内コンテンツ
  • 『国書総目録』『古典籍総合目録』所収の書誌・所在情報と著者の典拠情報、同資料館所蔵の和古書目録データ・マイクロ資料目録データ、『国書総目録』『古典籍総合目録』所収及び刊行後に追加した書誌・所在・典拠情報を収録

『国書総目録』は、1963~1976年に岩波書店から刊行された日本の古典籍の総合目録で、その後1989~1991年に補訂版が出版されています。
国初から慶応三[1867]年までに日本人が著作・編纂・撰修・翻訳した書籍50万点以上の書誌情報と、写本の所蔵機関、活字本・複製本の有無が掲載されています。
『古典籍総合目録』は、1990年に同じく岩波書店から刊行された『国書総目録』の続編で、活字本・複製本の有無が収録されていない点を除いては『国書総目録』と同じ構成です。

『国書総目録』と『古典籍総合目録』は、刊行以来日本の古典籍を探す際には真っ先に手に取るべき資料として重宝されてきましたが、これまた図書館に行かなければ入手できなかった情報が、このデータベースの公開によって自宅などにいながらにして利用できるようになった訳です。

このデータベースの利点としては、まず第一に書名や著者名の読みがわからなくても漢字のままで検索できる点が挙げられます。
これはデータベース全般に言える、紙に印刷された書籍と比較しての優れた特徴です。

そしてもうひとつ、このデータベースならではの特長として、別名からでも検索が可能なことがあります。
例えば、村上天皇の日記『村上天皇御記』は、他に『天暦御記』や『村上天皇宸記』とも称されます。
これを例えば国立国会図書館の蔵書目録・NDL-OPACで検索しようとすると、まずもって収録している本の書誌情報に内容細目(注:1冊の本に複数の著作が収録されている場合、中に入っているそれぞれの著作の情報を「内容細目」と言います)としてデータが入っていなければ当然ヒットしませんし、内容細目が記録されていてもその本に記載された書名のとおりに入力しないとヒットしません。
実際には、増補史料大成第一巻『歴代宸記』の中に『村上天皇御記』というタイトルで収録されていて内容細目にも記録されているのですが、このデータは『村上天皇宸記』や『天暦御記』で検索したのでは出てこない訳です。
また、『続々群書類従』第五にも、『三代御記』として宇多天皇・醍醐天皇の日記と共に収録されていますが、NDL-OPACの書誌データには『続々群書類従』第五の内容細目は記録されていません。
こうした、図書館の蔵書目録だけでは必ずしも調べきれない情報を、漏れなく見つけられるのは大きな利点です。

具体的な検索の仕方は、検索画面からもリンクしている利用のしかたをご覧いただけばよいのですが、検索画面を見ると「著作と書誌の違いって何?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないかと思いますので、ちょっとだけ補足しておきます。
「著作」に収録されているのは、著作物そのものの情報です。
『源氏物語』を例に取ると、著者が紫式部で五十四帖から構成され分野は物語で…といったデータが、著作の情報になります。
それに対して「書誌」に収録されるのは、個々の写本・刊本・複製本に関する情報です。
物理的な本の形・大きさや本体に書かれた題名、書写者・出版者、作成年、所蔵者、全部揃っているのか一部分なのか、などのデータが含まれます。
どちらを検索しても、検索結果から相互にリンクしているのでレコード間の行き来はできますが、特定の写本や刊本の情報を知りたい場合を除いては、検索対象は初期設定の「著作」のままで問題ないと思います。

昨年12月までは、「国書基本データベース(著作編)」と「古典籍総合目録データベース」という2つのデータベースに分かれて試験公開されていましたが、今回これらを統合・拡張するのと同時に画面のデザインやインターフェイスも大幅に改善され、とても見やすく使いやすいシステムになりました。
電子化・情報化が遅れていると言われる日本の人文科学分野ですが、調査・研究の基盤となるツールがこのように次々と公開され、便利になったことを実感する昨今です。

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